大手の電気通信事業者で中途採用者面接の担当を3年ほど行っていました。

私自身は人事部門ではなく総務部門に所属していたため、採用可否の決定権は持っていませんでしたが、あえてそういったしがらみのない立場の人間を面接官として利用することで、面接者の人となりを見ることに注力していました。

過去の実績で判断しない

まず最初に言えることは、前職がどんな立派な会社で、いかに大きな成果を上げていたとしても、その実績自体は採用可否の判断基準にはほとんどの場合でなりません

その理由は、本当の話かどうか確認する手段がないことと、その実績が転職先の会社でも実現し得るものだったのか判断が付かないためです。

ただ、特殊技能を要求される職種の場合や、部長クラス以上の管理職などの場合はその限りではありません。

とは言っても、面接時の質問内容で以下の3点は必ず聞いていました。

  1. 前職の担当職務と役職等、および実績と、それついての自身の満足度。
  2. なぜ前職を辞める必要があるのか?
  3. また転職する可能性を考えているかどうか?

見ているのはこの能力

前職の経験などの内容を聞かれないことはないと思いますので、説明する準備は必ず必要です。

ですが、私の経験として、いわゆる有名企業や大手企業からの転職希望者の方が、前職における数値的なスペックをアピールする傾向が強いと感じていましたが、そのような内容はできるだけ簡潔に、スマートに説明するだけにした方が良いと思います。

そして、実際に面接者の何を最も見ているかと言うと、一言で言えば「適応能力」です。

今の時代、どんな企業でも柔軟は発想と迅速な判断ができない組織は衰退して行きます。

人と人との会話は、瞬時の判断と物事を理解して自分の中でかみ砕く能力を求められますので、その瞬時の反応から「適応能力」を見ることができます。

具体的には視線や指先の動き、表情の変化、声のトーンなど、とても細かい部分を見ています。

面接で判断できることは限られている

物理的な仕事の処理能力は、正直なところ面接では分かりません。

ですが、その人の性格面やコミュニケーション能力、会話の構築センス、即座の対応能力などは、面接する我々も経験を積んでいるので、すぐに読み取ることはできます。

そのため、昔は圧迫面接などと呼ばれる方法がよく採られたのも事実ですが、最近はそういったものは減っていると思います。

逆に、面接者をできるだけリラックスさせて、本心や本当の内面が見えるような質問の仕方をすることにより、押し隠していた本質が見えることが多いです。

あなた自身が新しい組織に柔軟に適応し、今までのキャリアは忘れてゼロからスタートするぐらいの姿勢を感じてもらうことが、社会人経験を積んでいる年齢の方の面接では、一番大切なことだと思います。