私はある食品関係の事業所長をへて、ある時から人事採用担当を兼務することになりました。

40代後半の男性

うちの会社は支部が多い癖に正社員の数が少なく、各支部を任されている事業所長クラス人間は人事採用担当もかねる場合が多かったのです。

その際の体験として、採用についてこれはとおもった経験を語らせていただきます。

「やる気は無いが働こうかな?」

この方は年齢は40代の後半の男性。

今までの面接に今までの面接に訪れた方達が皆様スーツであったのですが、この方のみはジーンズにジャケットと言ういでたちで現れました。思わず私は二度見してしまいました。

少しおどおど面接室に入ってきた来た男性は、こちらが促す前に着席。落ち着き無く周囲をちらちらと見ていました。

もうその時点で同席していた他の人間は話かける気力を失ったのか沈黙していましたので、仕方が無く私が主導で会社説明を開始しました。

嫌な雰囲気の中で面接開始

お決まりの会社概要、福利厚生等の説明の後に志望理由を聞いたのですが、答えがまたびっくり。

今まで働いていた工場が閉鎖に追い込まれた為に働く気は無いけど、家族の手前、働かないといけないと思って来ましたとの事。

確かにそんな理由で面接に訪れる事もあるでしょう。ですがそれを正直に採用担当に言うのはもう、ある意味すごいと思いましたね。

この方は他たぶん面接なんてしたこと無かったのこも知れません。だから聞かれたことに正直に答えたのでしょう。

もう隣の席では相方が首を振って面接用の評価シートに大きく×を書いていました。

しかし私はそこで、さらにもう一つだけ質問しました。「仕事ってなんでするんですか?」と。

その質問に男性は「はい?仕事ですか、仕事はまぁ自分のためにやるもんですよね」と答えてきました。

この質問をすると今までの方達は社会貢献だとか、お客様の為にという言葉を述べてくるのですが、結局それは私からしたら、タテマエでしかなかいと思っていたのです。

「なるほど!」と思いましたね。そうです、仕事は自分のためにするものです。

採用するのか!?

社会に貢献するのも、その結果自分が誇らしい気持ちになれるから。

お客様に笑顔でサービスするのも、商品を買ってもらい、自分の給料を増やす事なんです。

周囲の反対を押し切り、私はこの男性を採用しました。

結果、彼は自分の為に仕事をし、自分の為に給料を上げ、その結果として、今度本社へ指導係として派遣されます。

熱意あふれる方も結構ですが、意外にこういうクレバーな方も大成することが出来、またその採用を決定した自分の見る目は正しかったと思う体験でした。